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野良コピーライターの過信

コピーのコンペで勝ちまくりたい。

Evergreenは僕にとっての常緑樹でもあった

誰もが口々に言っていたけど本当に2017年の年始のカレンダーは暴力的ですね。

1月4日から仕事始めなんて信じられない...

うちの業界は5日始めが多いからまだマシだけれども。

 

初めての成功

 

初めて勝ったときの話も残しておきたくなり,

書いていこうと思います。

概要はこんな感じ

  • いいずな書店 新参考書(総合英語文法書)名 公募
  • 賞金30万円

 

桐原書店から発刊されていた人気書籍『Forest』が,

どういうわけだかいいずな書店から出ることになり,

その名前についてのコンペです。要するに。

 

総合英語Forest 7th Edition

総合英語Forest 7th Edition

 

 

僕自身高校時代に読んでいたこともあるので,商品については熟知しているつもり。 

意気揚々と挑むことにした。

 

その言葉は、課題を解決する力を持っているか。

 

このときに心がけていたことは,見出しの通り。

Forestといえば怪物級の売れ行きを持つ,英語のバイブル。

僕が通っていた学校も採用していたし,予備校の自習室などでも多く使われていた記憶があった。

 

そんなForestの発刊する権利をいいずな書店が得たとしていても油断はできない。

Forestが積み上げてきた信頼と実績をリニューアル後の書籍でも伝えなければいけない。

リニューアルを失敗してしまえば,0からのスタートとなってしまう。

つまり,リニューアル後の書籍が「Forestのリニューアル版であると認識されること」が最優先課題である。

 

そのため,書籍のイメージを引き継げるように緑や自然を連想させる言葉。

なおかつ意味が素敵な言葉なら文句ない。

これさえ見つけられればいけると思ってた。

あとは,辞書や曲名などから見つけるだけの作業だった。

 

提出

 

以下の案を提出した。

  1. Evergreen
  2. Garden
  3. Stream
  4. Bolero
  5. Traveller

(※上で「緑や自然を〜」とか抜かしつつ,好きな言葉も入れているあたり,ブレブレだなあ)

 

ただ,Evergreenのタイトルの意図に関しては一番気合いを入れて書いた。

 

【Forestとのイメージの距離感】

ロングセラーのForestのイメージを使わない手はありません。そのため、Forestから適度に離れつつも、遠ざかりすぎないイメージの言葉を選びました。言葉の意味は常緑樹ですが、転じて不朽という縁起の良い意味も持っています。

 

【売り逃しを防ぐ装丁】

昔Forestを使っていた学校の先生方や、Forestは売れる銘柄と認識していた書店員の方に、「本冊はForestのリニューアル版」と気付いてもらえなければ、大きな売り逃しをしてしまいます。

このタイトルのもと、常緑樹を連想させるカバーにすれば、Forestのリニューアル版と視覚的に訴えることができ、今までのForestファンを逃がしません。

 

【読者への親しみやすさ】

売上を左右する口コミにおいて、シンプルなスペリングは重要です。難解な言葉をタイトルにした場合、英語が苦手な生徒はタイトルを読めない・発音できない恐れがあります。本タイトルは、Ever+Greenという、中学生で習う言葉の組み合わせなので、高校英語に初めて触れる初学者にも親しんでもらえるでしょう。(略称は「エバグリ」でいかがでしょうか?)

また、「いつまでも色あせない英文法の知識を手に入れよう!」というキャッチコピーで展開することも可能です。

 

長々と書いたが要するに,Evergreenを次のようにPRしたということである。

  1. 良い意味を持つ英単語
  2. Forestに近いイメージをつくれる
  3. 高校生が親しみやすい発音&スペル

どれかしら引っかかればいいかなあと思いつつ応募したが,ちょうど別の公募もあり,送ったことは1日経ったらすっかり忘れていた。

 

賞金をくれ

 

そして忘れた頃に,『Evergreen』がタイトルに採用された旨のメールがくる。

思わず職場でガッツポーズ。

 

当時,金欠で苦しんでいた僕は30万円が手に入ったと思いこんで,

「メールの下には『賞金を振り込む口座をお知らせください』といった文面があるに違いない...」

と指を走らせたものだが,結局賞金は貰えなかった。

複数人がEvergreenで応募していたため,抽選で30万円を渡す人を決めたんですって。

 

でもひとつ言わせてほしい。

公募サイトに採用の理由が書いてあって,それを見て驚いた。

 

株式会社いいずな書店 代表取締役社長 前田道彦を委員長とする書名選考委員会により、以下のような観点から,候補作15点を選定いたしました。

  • 新しい文法参考書にふさわしい,フレッシュなイメージの語
  • 高校生でも覚えやすい,シンプルな英単語
  • さまざまなイメージが広がる語

 

僕が送った制作意図と似てるのは気のせいでしょうか。

売れるための指針込みでタイトルを提案した僕としては,

ちょっと悔しい。

 

ひとりよがりの意見だけれども,

30万円の価値は新しいタイトルそのものでなく,

売れるための方針やアイディアを評価してほしかった...

(これも被っていたらもちろん納得!)

 

いいずな書店さん。

賞金のお渡しは,今からでも遅くありません。

ご連絡をお待ちしています!

 

変化

 

とはいえ。

景色はほんの少し,でも確かに変わった。

 

採用されてドヤ顔でFBでアピールしたところ,

「コピーライター(笑)」ぐらいのノリではあるが,

周囲に認知させることができたと思う。

 

職場でもコピーを書く頼まれることが増えた。

他社の人からサービス名を考えてほしいと言われることも出てきた。

 

実績さえあれば,次のステージへ行ける。

それを強く感じた2016年だった。

 

話は一気に変わるけど,

僕の好きなバンド・クリープハイプが,いつかライブのMCで話していたこと。

「この曲には色んなところに連れていってもらいました」

今ならちょっとだけわかるよ。

 

万年,フェスの一番小さいステージで歌い続けていたクリープハイプ

『オレンジ』がヒットして,スペシャでガンガン流されたおかげで,

一気にCDJの3番目に大きいステージまで駆け上がったときに口にしたこの言葉。

実績さえあれば,次のステージへいける。

この向上心が枯れるまで,着眼点を磨き続きたい。

 

 

そして,いつまでもこの常緑樹にしがみつくわけにもいかない。 

実績は風化する。現在地点の自分がとっていなければ意味がない。継続的に勝ち続けたい。

勝ったときの美酒の味を知ってしまったら,もう知らない頃には戻れないから。

 

というわけで,

2017年も僕はコンペに出し続けます。

本年もよろしくお願いします。